当ブログ2008年11月8日の記事「FIPを正確に診断できる画期的な検査、受付はじまる」に掲載しました、ケーナインラボ社の「ネコ伝染性腹膜炎ウィルス(FIPV)遺伝子検査」ですが、今年の4月から、名称が「ネコ・コロナウィルス遺伝子検査」に変更されました。(※検査の内容、精度は全く変わりません)
これをうけ、当「ソマリらいふ.jp」及び別館「猫logy Life【愛猫のためのお元気手帳】」に掲載しております当該検査名を、新名称である「ネコ・コロナウィルス遺伝子検査」に変更いたしました。
ご連絡くださいましたケーナインラボさま、ありがとうございました。
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ネココロナウイルスとFIP(猫伝染性腹膜炎)の関係ついては、「猫logy Life【愛猫のためのお元気手帳】」で詳しくとりあげていますが、いまだ解明されていない部分も多く、FIPが解釈の難しい病気の一つとされる所以です。
FIPは、「猫がいるところどこにでも存在すると言われる弱毒性のネココロナウイルスが、猫の体内で突然変異し、その変異したウイルスに猫自身がアレルギー反応をおこした時に発症する」と言われています。
この、ネココロナウイルスから変異しFIPを発症させるにいたったウイルスは、一般的に「FIPV(FIPウイルス)」と呼ばれ、専門的な文献や獣医師の先生方も、そのようなウイルスを「FIPV(FIPウイルス)」と呼び慣わしています。
が、実は、学術的には『コロナウイルスとFIPV(FIPウイルス)は、遺伝子レベルでの違いについて確証に至ってはいない』のです。
ケーナインラボ社の遺伝子検査も、正確に言えば『血液や腹水、胸水などの検体中に存在するコロナウイルスを検出』するものです。
ですが、『腸コロナウイルスとFIPVの鑑別のポイントが、マクロファージを含む検体(血液、腹水、胸水など)からのコロナウイルス遺伝子検出』であるために、検出された場合には、『FIP発症に関連するコロナウィルス(FIPV)の感染を確定できる』というものなのです。
※この段落の『』内は、ケーナインラボ社『ネコ・コロナウィルス(FCoV)遺伝子検査への名称変更のお知らせ』より抜粋させていただきました。さらに詳しくお知りになりたい方は、是非こちらをご覧ください>>「ケーナインラボ」
こちらのブログの方にも、猫ママにとってためになる情報がいっぱいです>>「イヌやネコの検査や治療に関する最新情報(社長の独り言)」
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長い間、FIP発症の診断のひとつの目安は、「ネココロナウイルス抗体価検査」でした。が、この抗体価検査の数値は、確定診断の決め手としては、決定的なものとはいえず、FIPを発症しているか否かは、結局のところ、獣医師の判断にゆだねられてきました。
この「ネコ・コロナウイルス遺伝子検査」が確立されたことは、画期的な進歩といえるでしょう。
そして、このFIPの「検査技術」の向上が、FIPの「治療法の確立」へと繋がって行く事を、一猫ママとして願ってやみません。