お元気手帳:キャットフードラビリンス(4)

ペットフードの実態を調べていくと、ショッキングなこと、胸を痛めるようなこと、ひどい憤りを感じることが多々あります。

中でも、今回のテーマ「レンダリング」は、にゃんこやわんこを家族の一員として慈しんでいるママパパにとって、何とも言いようのない、やりきれなさを覚える内容だと思います。

それでも、我が子の為に、ペットフードの実態を知りたい。知ることが、全てのスタートだと思われる方は、この先にお進み下さい。(※すでにレンダリングをご存じの方にとっては、とくに目新しい内容ではないと思います。なお、【猫logy Life】の方では、これまでレンダリングは取り上げていませんでした。いずれ、追記したいと思います)

〜レンダリング…その恐ろしい実態〜

海外から輸入されたペットフードの原料表記訳は、実に様々です。「ミートミール(肉粉)」「ミートエキス」「ミートボーンミール(肉骨粉)」などという書き方の場合もあるし、大ざっぱに「畜肉および副産物」などと書かれている場合もあります。また、国内のスーパーやホームセンターで出回っているブランドが得意とする??(;^-^A「肉」「ビーフなどという表記もあるでしょう。

ぶっちゃけ、このように表現される原料は全て、私達がイメージするところの(人間が食べているような)「お肉」じゃありません。

ほとんどのペットフードに使われるお肉が【4Dミート】( 屠殺される前に死んだ家畜の肉、病気の家畜の肉、死にかけた家畜の肉、障害のある家畜の肉)である事は、前回の「キャットフードラビリンス(3)」でも書きましたが、問題は、単に質の悪い肉が使われているという話ではないのです。これらのほとんどが、レンダリングされた原料だということです。

(レンダリング=産業的な使用の為の加工:例えば家畜死体を高温加工し、脂肪等からオイルを抽出するために溶かす等)

以下、レンダリングされてペットフードとなる材料をあげていきます。あなたの愛猫が食べているキャットフードにも、使われている可能性が高いのだと思いながら、読んでみてください。

*殺処分されたコンパニオンアニマル。つまりにゃんこ・わんこ達
*4Dミート
*路上轢死動物
*動物園の動物
*飲食店から出た廃油や生ごみ
*消費期限の過ぎたスーパーマーケットの肉や食品
*牛・豚・ヤギ・羊・家禽・ウサギなどを屠蓄した後の、皮膚、被毛、羽、内臓と内容物、爪、くちばし、糞尿、骨、血液など
*高レベルの薬剤が投与されたり、毒物や殺虫剤が入っているために人間の食材にできなかった原料・・・など

これだけでも充分吐き気をもよおすような内容です。

が、問題はさらに深刻です。

コンパニオンアニマルの殺処分に使われる薬物は、レンダリング処理の後も分解せず残留するといいます。

4Dミートの中に狂牛病の牛が含まれていた場合、レンダリング処理後も、ペットへの感染の危険性があるといいます。

殺処分や轢死したにゃんこやわんこが身につけていた首輪やノミよけ剤も、そのまま一緒に高温処理されます。

スーパーの売れ残り食材は、発砲スチロールのトレイや包装資材などを取り除かず、一緒に処理されます。

屠蓄した牛豚鶏の内臓や糞尿には、腫瘍や汚染された血液、寄生虫、病原菌なども含まれるでしょう。

アメリカやカナダのペットフード業界で大規模に行われているレンダリングですが、日本にもレンダリング工場が存在します。

アメリカにおいてペットフードを監視しているAAFCO(米国飼料検査官協会)でさえ、これらの原料でも適正な処理がなされていれば、ペットフードとして許可しています。まして、ペットフードに対して公的な基準や規定が定められていないペット後進国・日本で、アメリカよりましなフード事情が展開されているとは、とうてい思えません。

殺処分されてレンダリングされるにゃんこやわんこは、もちろんレンダリングされるために殺されるわけではありません。でも、どうせ死骸なのだからと、彼らを同じわんにゃんのフードの原料にすることは、エコロジーですか….。それが、命を無駄にしないということなんでしょうか…。

私には、ただただメーカー側の、価格を安くあげる手だてにしか思えません。

1万歩譲って、わんこにゃんこの亡きがらをレンダリングすることに目をつぶったとして、そこに残留している殺処分の薬剤の危険性はどうなんでしょう。かれらの糞尿は、首輪は、友人たちに何かしらの栄養を与えてくれるものなのでしょうか…。

ここで、これ以上書こうとは思いません。もしさらに詳しい事をお知りになりたいと思ったら、「レンダリング」「レンダリング ペットフード」などで検索してみてください。細かく見ていくと、実際日本のレンダリング工場を見学に行った、愛犬家のレポなどを読むこともできます。

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ナチュラルフードやプレミアムフードと呼ばれるキャットフードを購入された経験のある方は、商品説明のページに、あえて「人間が食べられるレベルの肉だけを使用しています」などと書かれているのを見たことがあると思います。

そういったフードメーカーの言い分をすぐさま鵜呑みにするつもりもないし、お高いフード=よいご飯と言い切るつもりもありません。

でも、少なくとも私も姉も、レンダリングされたお友達を、我が子には食べさせたくはありません…。

もう一度、愛猫のフードの原料をよく見てみませんか。そして、お肉のようでお肉でないものの正体を、じっくりと考えてみませんか…。

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