前回、市販されているほとんどのペットフードに、ペット達の体に有害な合成保存料(合成添加物)が入っていることを書きました。
人の考え方は様々です。中には、「大量投与すれば危険な化学物質でも、メーカーが安全な量というなら気にすることはない」そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。また、経験的に「ウチの先代は、スーパーで売っているこの安いフードで20歳まで生きたから、今の子にも同じ物で大丈夫」と思われた方も。
が、その先代ちゃんと、今そばに居てくれる子。体質は全く同じですか。免疫力は全く同じですか。ある子にとっては、たまたま弊害が表面化しなかった有害物質も、別な子には、命取りになるかもしれないのです。
現に、フードが原因で、アレルギー疾患・肝疾患・腎疾患に罹る子達は急増しています(フードを変えたことでぴたりと治るケースの多さが、その証明です)。
それでもなお、今使っている(添加物入りであろう)フードが、ウチの子にベストだと思われる方は、この記事はどうぞスルーしてください。
わけのわからないお肉“のようなもの”、もしかしたら含まれているかもしれない“お友達(わんこにゃんこ)”、明らかに“危険と分かっている添加物”。そういうものを使っていないフードが、無いわけではないんです。
それが、いわゆる「ナチュラルフード(プレミアムフード)」と呼ばれるフードです。
〜ナチュラルフード(プレミアムフード)はベストなのか〜
ナチュラルフード(プレミアムフード)は、よく聞く言葉ですが、実際、これだという規定があるわけではなく、便宜上の呼び名のようなものです。
一般的には、「(1)人間が食べられるレベルの良質な原料を使っていること」「(2)合成保存料(合成添加物)を、一切使用していないこと」メーカーが、この2点を明言しているフードをナチュラルフード(プレミアムフード)と呼ぶようです。
が、気をつけなければならないのは、ホームセンターやペットショップなどで、とんでもない粗悪フードを(;^-^A「プレミアムフード」などと売っているケースもあるということです。
考えてみてください。合成保存料を使用していないフード(=安全性の高い天然の添加物を使って品質保持しているフード)は、合成保存料を使用しているフードに比べ、製品の「安定性」は悪いんです。つまり、酸化・腐敗しやすい、デリケートなフードです。よほど店内の管理(温度や湿度など)をきちんとしていない限り、店頭に並べて販売するなんてできません。
ナチュラルフードの多くが、ネットなどの通信販売というスタイルを取っているのも、頷けるところです。
また、動物病院扱いのフードや、「獣医師推奨」「トップブリーダー推奨」などというキャッチコピーのフードを、プレミアムフードと誤解される方も多いようですが、これも間違いです。それらのほとんど(おそらく全て)は、合成添加物のたっぷり入ったフードです。値段やイメージに惑わされず、その製品の特徴をしっかりと見抜くことが大切です。
さて、ここに、原材料が人間の食べられるレベルの食材で、さらに、合成添加物を一切使用していないと明記されたフードがあるとします。まさにナチュラルフード(プレミアムフード)です。
けれど、それでもまだ問題は残るのです。
メーカーが、フードの製造時に合成添加物を使用しなくても、原材料そのものに合成添加物が残存しているという場合です。つまり、肉類や野菜類を飼育、栽培する時の飼料や農薬に、合成添加物が使われたということです。
ナチュラルフード専門店では、独自に検査機関にかけて、フードを調べているショップもありますが(フードに合成添加物が含まれるかどうかを調べる為に検査機関にかけるのは、まったくの個人でもできるそうですよ〜)、たまに、ナチュラルフードと謳っているメーカーのフードから合成添加物が検出されるのは、こういう理由からだそうです。(本当はメーカーが添加してるのに、偽ってるっていう悪質なケースもあるかもですが….( ̄(エ) ̄|||)
さらに(まだ問題があるのか(;´Д`))、先程も書いたように、ナチュラルフードは、デリケートなフードです。良好な保存状態を維持できるよう、徹底管理されなければ、かえって質の悪いフードへと劣化してしまうのです。(フードにカビが生えると、発ガン物質アフラトキシンが発生します。これはペットにとっては猛毒で、アメリカではわんこの大量死の報告もあります)
保存状態の良い輸入フードを求めるには、安価な「並行輸入品」でなく、正規契約の元に輸入販売されている「正規品」を購入する必要があります。
正規品の輸入は、通常コンテナチャーター便で、北ルート(気温の低い地域)を通り、輸送の日数も短く保冷されています。それに対し、並行輸入品は少量輸入のため混載便を使用し、日数がかかり、港に着いても港沖で停泊する時間が長いのです。多く利用される南ルートの場合、船内温度が外気温以上になり湿度が60%以上になることもあるそうです。
もちろん、保存状態に気を配らないと品質維持ができないというのは、購入後も同じです。
合成保存料がどっさり入ったフードと同じように、開封後、大袋のままキッチンの棚に置き、毎日袋の口を開け閉めして、フードをお皿に移す。そして、2〜3ヶ月かけて食べきる。
ナチュラルフード(プレミアムフード)を使う場合は、絶対にそんな管理はしないでください。一般的には・・・
開封したらすぐに、密閉保存ビニール袋(いわゆるジップ●ックなど)に少量ずつ小分けにし、乾燥剤(シリカ●ル)を入れ、なるべく空気を抜いた状態で冷蔵保存。
毎日使う分は、そのうちの1袋分を密閉容器などに移して使う。
冷蔵保存した分も含め、1ヶ月程度で使い切る。
猫さんの数が少なく、消費に日数がかかる場合は、お得な大袋は買わず、割高であっても小さいパックの物を使う。
などの方法で、管理されているお家が多いようです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ラピを迎えた直後。初めてナチュラルフード(プレミアムフード)の存在を知った時は、とても感動したものでした。何が入っているかわからない粗悪なフードと比べたら、夢のご飯のようにも思えました。
でも、ナチュラルフードを選べばそれで全てOKというわけではないんですね。
どのナチュラルフードを選ぶのか、どんなお店から購入するのか、どのように保存するのか。そこまで気を配れて、初めて、ナチュラルフードの良さを活かせるんだと思います。
逆に言えば、ナチュラルフードを選ぶパパママには、それだけの心構えが必要なんだと思います。
※「お元気手帳:キャットフードラビリンス」は、一猫ママの独り言です。とくにナチュラルフード(プレミアムフード)を推奨する意図で書いているわけではありません。
次回は、キャットフードを選ぶ際の、「リスク回避の方法」を考えてみたいと思います。